フェルコをより使いやすくするための革ケース
以前、フェルコ用の革ケースを作成したことがありました。それがこのブログにも掲載しているClassic Felcoです。
以前作ったものがこれなんですがね、、、これはこれで、はじめはよかったんです。
が、実はこれ、わたしとしては時折使いづらさを感じることがありまして。
Classic Felcoは、シンプルに鋏がまっすぐケースに納まるタイプです。まあ、普通です。
鋏が垂直に納まる革ケースというのは一般的ですが、わたしは普段、鋏が斜めに納まるタイプの木鋏ケースDiagonal Rを同時に使っていて、この二つの納まりの違いでClassic Felcoの方は、鋏を戻す時に引っ掛かって使いにくいと感じていました。
納まりが斜めと垂直のものを同時に腰につけていて、垂直の方が使いにくいと感じるということは、やはり自分には斜めに傾いて納まる鋏ケースが向いているのだと、改めて認識した次第です。そして、いつかこれを改善したいと思っていました。
フェルコのための革ケースClassic Felcoのフォルムには理由がある
Classic Felcoを設計した時も斜めに納まる形状というのは検討しました。でもその時はどうしても実現しませんでした。
理由は、斜めに納まるようにすると、正面から見たときにフェルコの赤い柄が革ケースのベルトループからはみ出してしまい、それがその時は何となく許容できなかったからです。
ちょっと意味わかんないですかね。まあ、そのスタイルはとにかくしっくりこなかったわけです。
それで以前作成したClassic Felcoは鋏が垂直に納まるタイプとなりました。
剪定鋏ケースは結構繊細!
そして、今回斜めに納まるよう再度検討してみたのですが、やはりフェルコの鋏の形状からして、以前の見た目の問題を解決することができませんでした。
実は、木鋏に比べ、剪定鋏というのは形状が多彩でして、ピッタリフィットする革ケースの設計は結構繊細な作業になります。剪定鋏というのは、左右非対称で柄や刃の部分の角度が様々なんですよね。まあ、興味のない人には訳の分からんどうでもいい話ですが、、、。
で、それならば、ということで多少の見た目の部分は目をつぶり、ついに完成となりましたのがDR Felcoです。
赤い柄が後ろのベルトループの外にはみ出しているのがわかると思います。どうしても解決できなかったというのが、この部分なんですが、、、。
できてしまえば、「こんなものか」、と思ってしまうのが人というもので、わたしはもう見慣れてしまいましたが、あなたはどうでしょう?よかったら聞かせてください。
一代目フェルコ、梅枝に散る
わたしがフェルコの剪定鋏をを使うようになった経緯については、剪定鋏ケース | Classic Felco/sのエピソードで書いた通り、ドイツ人の同僚からお別れの際にもらったことがきっかけでした。ですので、ちょっとした思い出のある道具でした。
でも、もらったのももうずいぶんと昔の話です。フェルコの使いやすさには、だいぶ経ってから気づき、ここ4、5年くらいは常に身に着けていました。すると、最近グリップの赤いビニールの片方が取れ、刃同士のかみ合わせも悪くなってきてしまいました。
そこで新しいものをと考えたとき、選択肢はひとつで、また同じものを購入しました。そのタイミングで革ケースも新調しようと考えた経緯があります。
フェルコの剪定鋏は、刃の部分が分厚く、繊細な剪定作業にはそれほど向いているとは思いませんが、太い枝が気持ちよくサクッと切れるので、切った枝を細かくする作業にはとても向いていると思っています。
つくりに関しては、日本人とは明確に違う美意識のもとに作られている感じがして面白く、飽きの来ないデザインです。
普通、剪定鋏には何らかのバネが仕込まれていて、閉じた刃が戻るようにできていますが、フェルコの場合、虫ばねが付いている点は何とも味わい深いです。
また、枝を切った時に腕に伝わる衝撃がソフトなんで、使い過ぎで肘や腱などを傷めた末に、医者から「なるべく手は使わないように。」と、サラッと無茶な釘を刺されている人にもなかなかおすすめですよ。