革ケースをつくってきたのは、鋸や鋏だけではありません。
鉈、斧、釿、チェーンソー。仕事で使う道具には、それぞれ形も使い方も違います。もともと付いていたケースが気に入らなかったり、使っているうちに壊れてしまったり、そもそも欲しい形のものがなかったり。
そんなとき、「それなら革でつくってみよう」と考えてきました。
そして革を使うのは、道具を収めるケースだけではありません。柄を革で覆ったり、既製の道具へ革を加えたりすることで、自分の使い方に合う形へ変えてきたものもあります。
ここでは、鋸や鋏とは少し違う仕事道具と、革を組み合わせてきたエピソードを紹介します。

鋸や鋏だけではない、仕事道具の革ケース
刃物を安全に収めるという役割は同じでも、道具の形が変わればケースの形も変わります。
鉈、斧、釿、そしてハンディチェーンソー。それぞれの道具を前にして、「自分ならどんな形にするか」を考えてつくった革ケースです。
鉈ケース Kolasho
10年以上使ってきた鉈のためにつくった総革製のケースです。もともとのケースへの不満をきっかけに、厚いヌメ革を何枚も重ねた、丈夫な鉈ケースをつくりました。
革製斧ケース
革ケースづくりを始めて間もない頃、ニョンパさんの斧に合わせてつくったケースです。ずいぶん後になって再び見ることになり、昔つくったものが今も使われていることや、手仕事について考えるきっかけにもなりました。
ちょうな革ケース Usamimi
釿の刃をできるだけ覆いながら、どうやってケースが外れないようにするかを考えた革ケースです。たどり着いた独特の固定方法が、名前の由来にもなりました。
チェーンソーカバー SWOOSH
マキタMUC150DZの純正プラスチックカバーが、樹上作業中に引っ掛かって壊れたことからつくった革製カバーです。単純に元の形を革へ置き換えるのではなく、実際の使い方に合わせて考えた結果、かなり変わった形になりました。

ケースではなく、道具そのものを革で仕立てる
革を使ってきたのは、道具を収めるためだけではありません。
もともとある道具へ革を加えることで、見た目を変えたり、使いやすくしたり、自分の道具としてしっくりくる形へ仕立て直したこともあります。
革製鋸グリップ
鋸の木製やプラスチック製の柄を革で覆ったグリップです。もともとは小型鋸の安っぽく感じた柄を何とかしたくて始めたものですが、見た目だけでなく、滑りにくく力を入れやすいという使い勝手にもつながりました。
YABUKARA
樹上でロープを手繰り寄せたり引っ掛けたりするために、柄と先端金具を選んでつくった道具です。最後に柄を革で覆い、抜け止めを兼ねたストラップも加えることで、既製品にはない自分なりの道具へ仕立てました。
革ケースづくりをしていると、最初から「革で何かつくろう」と考えているわけではないことがよくあります。
使っている道具に不満があったり、欲しいものが売っていなかったり、今あるものをもう少し自分好みにしたかったり。そんなところから考え始め、結果として革を使うことになったものが、ここで紹介した道具たちです。
ほかの革ケースについても見てみたい方は、革ケースのエピソード一覧からご覧いただけます。