レザークラフトで必要な接着剤の種類と道具の解説!~初心者編~

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革を貼るのに使う接着剤の種類

レザークラフトで使う接着剤は、何を使えばいいか迷いますよね?レザークラフトをはじめる前、革製品で身近なものと言えば、わたしは靴でした。それで靴のソールが剥がれてしまって、直した時は確かこんなボンドを使いました。

合成ゴム系接着剤

コニシのG17というボンドの説明には、皮革に使えるとはっきり書いてありますし、耐水性のある強力な接着剤ということで、実際にこれを使っている人も多いようです。もちろん、靴のソールが剥がれてしまった時に使用するのにも良い接着剤です。

同じコニシのボンドでも、自分はこのGクリヤーを使うことが多いです。理由は色で、G17が飴色なのに対し、Gクリヤーは透明です。この種の接着剤を使うと、革を貼り合わせた時、少なからずボンドの層が見えるのですが、コバ処理剤に透明なものを使った場合、飴色より透明のGクリヤーを使った方がボンド層が目立たないからというのが理由です。

そして、レザークラフトで定番のダイアボンドというのもあります。

これら3つは合成ゴム系接着剤に分類されるもので、強力な接着力と耐水性があるのが特徴です。速乾性で貼り合わせた直後からずれることはないので、乾くのを待つ必要がなく、作業性がいい反面、貼り直しがききません。また、揮発性が高く、手早く薄く延ばさないと厚塗りになって、コバにボンド層が目立ちやすいので注意が必要です。
合成ゴム系の接着剤は、上記したように揮発性が高いので、チューブタイプのものがおすすめです。容量の多いものだと缶に入ったものもありますが、頻繁に使わない人だと、いつの間にかカチコチに固まってしまう場合があります。

天然ゴム系接着剤

レザークラフトで使われる接着剤では、合成ゴム系のの他にも天然ゴム系接着剤があります。ゴムのりという定番品もありますが、ここではそれよりも接着力が強く評判のいいスリーダインを載せておきます。

天然ゴム系接着剤は、革に塗り広げた後、乾くのを待ってから貼り合わせる形になり、貼り合わせた後、圧着前であれば多少貼り付け位置を調整できるので、合成ゴム系よりは扱いが易しいと言えます。ただ、合成ゴム系よりは乾くのが多少遅いですが、これも厚塗りになって断面にボンド層ができやすいのでその点は注意が必要になります。
この種の接着剤は、合成ゴム系接着剤と比べ、接着力が弱く、縫い合わせる際の仮止め用として考えるのが良さそうです。

酢酸ビニル系接着剤

レザークラフトで初心者にも使い勝手のいい接着剤と言えば、酢酸ビニル系の接着剤です。酢酸ビニル系接着剤と言えば、皆さんご存知の木工用ボンドですね。ドロドロの白い液体で乾くと透明になるアレです。
そして、レザークラフトで定番の酢ビ系接着剤がサイビノールという商品です。レザークラフト用品のメーカーであるクラフト社製です。

酢ビ系接着剤は、乾く前に貼り合わせて使用するため、くっつけた後も接着剤が乾くまでは貼り付け位置の修正が可能です。先ほどの合成ゴム系は一発勝負でしたが、こちらは貼り合わせた後もぬるぬると動くので初心者に優しいというわけです。
ただ、乾いてしまうとくっつかなくなってしまうので、広い面を塗る際は接着剤が乾かないよう手早く塗り広げる必要があります。

ちなみに、サイビノールには100と600という二種類があり違いは濃度になります。100の方がサラッとして塗りやすいかわりに、600より接着力が強くありませんので、そのようなことを念頭に置いて使うといいと思います。で、このサイビノール、木工用ボンドと何が違うのか?入れ物が違うだけでしょ?恐らく木工用ボンドでも何ら変わりませんが、心配な人はサイビノールをご使用ください。

接着(革を貼り合わす)に必要な道具

接着剤を塗り広げる際は、チューブタイプの物でも、一旦ヘラにのせてから広げた方が薄く綺麗に伸ばすことができます。
塗り広げるのに使うヘラは、使いやすいものなら何でも構いません。型紙に使う厚紙でもヘラになります。

貼り合わせた後は、しっかりと転圧して完全に密着させる必要があります。その際に使う定番がローラーです。

ローラーは圧着の専用工具ですので、それなりに使いやすいですが、抜きん出て使いやすいかというと微妙だと個人的には思っています。
トコの処理に使うガラス板なんかも圧着には使いやすいです。その他に木槌の腹でもいいですし、全然違うものとして栄養ドリンクの瓶なんかでも代用できます。

接着剤を広い面に塗る場合はそれほど問題ありませんが、5㎜とかの狭い幅に接着剤を塗った場合、接着面が狭いために縫いの最中に剥がれてしまうことがあります。そうならないよう、幅狭の接着時にはクリップを併用すると作業しやすいです。
注意点としては、革は傷がつきやすいので、金属クリップで乱暴に挟んでしまうと銀面に傷がついてしまうことがあります。革にあて布をするか、クリップにあて革や布を貼り付けておいて使用することをおすすめします。

レザークラフトで接着剤を使う理由

接着剤を使う理由の一つは、作業性の向上のためです。縫い合わせる革と革がくっついていた方が、固定されるのでずれずに縫って行きやすいということで、仮止めの意味があります。
また、接着剤で固定しないと、縫い合わせたところのコバ(切断面)が、折角きれいに処理しても開いてしまうという理由もあります。コバの処理剤は接着効果はないので、やはり接着剤を使わないと割れてしまいます。
糸で縫い合わせるだけでなく、強力な接着剤を使えば、強度面でも期待が持てます。糸が切れてしまってもすぐには分解することもありません。
とはいえ、レザークラフトでは、革と革を合わせるところは基本的には糸で縫い合わせるため、必ずしも接着剤を使わないとNGというわけではありません。仮止めだけなら両面テープで済ませる場合もありますし、財布の折り曲げ部分など、貼り合わせてしまうとごわついてしまう箇所なんかは、あえて接着剤を付けないこともあります。
そのように適宜理由を考えて、適材適所で接着剤を使い分けるといいと思います。

結局、どんな接着剤を選ぶべきかは自分が知っている

ここまで書いてきたことを総合すると、結局どんな接着剤を選ぶかは、自分が接着剤を使うことでどんな目的を果たしたいかによるということです。ちょっと仮止めしたいだけなら、両面テープでも構いませんし、少しでも強度面を補完したいのであれば合成ゴム系を使うのが良いと思います。
あとは、自分にとって使いやすいかで判断することになります。