革ケースをハンドメイドするに至った経緯

レザークラフトのすすめ

克服できないことに向き合う

仕事をするためには誰しも何らかの道具を使います。何ひとつ使わず身につけずで仕事を行うことは恐らく困難でしょう。それぞれの職業で必須の道具は、先人たちによって既に一通りのラインナップができています。ただ、既にある道具に対して誰しも何らかの不満をおぼえることがあるのではないでしょうか。

「ホントにもう!なんでこんなに使いにくいんだ!」とか「これってほんとデザインが凡庸だよね」という、誰もが抱いたことのあるあの感情です。これらは仕事を覚えるにしたがって身につけたスキルでは克服できないものです。

市販のハサミケースに対する不満!

庭の仕事をしている人が最も慣れ親しんでいる道具のひとつがハサミです。枝の剪定をはじめ色んな場面で多用しており、欠かせない道具のひとつです。誰でも、もっと手になじむもの、切れ味鋭いものはないかと、ハサミ自体に対して思うことは、いくつかあるのではないでしょうか?

しかし、わたしが、それ以上にどうにかならないかと不満に思い、仕方なく使っていたのがハサミを入れるためのケースでした。市販の革ケースの軟弱なつくりや粗放すぎる見た目には、本当に嫌気がさしていました。

無いものは自分でつくればいい

庭の仕事というのは、お父さんの第二の人生の選択肢として挙がるくらい簡単なイメージがあります。でも、どんなお仕事もそうで庭も例外ではないのすが、突き詰めれば奥深く、幅広い知識とスキルが必要なものです。そして、夢中になってやっていると、いつの間にか色々なことができるよ゛うになり、知らないうちに何でも作れるようになっています。
そして、わたしはある時思いました。゛無いものはつくってしまえばいい。゛

どうせつくるなら、とにかく使いやすく丈夫、しかもシンプルかつ美しい革ケース。そういうものを追い求めたところから、わたしの革ケースづくりはスタートしました。失敗作もたくさんつくり、今でもつくりますが、ここに掲載しているような革ケースもできるようになりました。

元々のわたしに革ケースをつくれるような特別な何かがあったわけではありません。誰に習うでもなく素人の状態からはじめて間もなく、ここに載せているような革ケースの一部ができるようになりましたので、やろうと思えば誰にでも可能なことだと思っています。

「ちょっとハードルが高いな」と感じている人も、やってみると意外に思った以上の作品ができるのでは?と思いますので、もしもあなたがわたしと同じように、市販の革ケースに不満を持っているなら、まずはやってみることをおススメします。