木鋏ケース | Diagonal L/kのエピソード

ハンドメイド木鋏革ケース

Diagonal L/k(ダイアゴナール エル)は、Diagonal R/k(ダイアゴナール アール)とパッと見は同じです。
違いはLとR、つまり左と右です。

最初に製作したDiagonal R/k(アール)は、右利きの自分が使いやすいように右にハサミが傾いて入ります。それではDiagonal L/k(エル)は、左利きのための革ケースかというと実は違います。実際はこちらも右利きの人のためにつくりました。

どういうことでしょうか?

Diagonal R/k(アール)には最初、「右利きのためのシース」という名前をつけていました。「シース」とは、鞘とかサックというような意味で、まあここではケースと言い換えてもいいです。

名前を付けてしまっているヤバさはスルーしてくださいね。で、個人的にはこの名前が気に入っていました。「右利きのためのシース」、いいですよね。なんか特別感があって。

ところがある日、この右利きのためのシースを使ってもらっていた知人から、「これは自分には使いにくい」と言われてしまいました。この人の利き手はもちろん右です。

それで話を聞いてみると、原因は自分の思いもよらないことでした。私は下の画像のようにこのハサミケースを体の真後ろにつけて使っています。

自作木鋏革ケース
(↑これがDiagonal Rです)

ところが、この知人は体の右横につけるのだそうです。

これは自分の頭の中には全くないことでした。よくよく考えてみればそうなんです。みんな自分の使いやすい位置にハサミやノコギリをぶら下げて使っています。

それでこの知人がさらに、「反対に傾いていた方が使いやすいかも」と言いました。右真横にハサミケースが来るということは、左に傾いていた方が取り出しやすいのかもしれません。

これは道具の使い方は十人十色ということを教えてくれた良い教訓でした。この一件があり、傾きによる使いやすさは人によるということで、利き手は関係ない事が判明しました。

よって、「右利きのためのシース」という名前はふさわしくないということになってしまいました。