鋸ケース | MORIBITOのエピソード

純革鋸ケース高耐久モデル

純革製鋸ケースMORIBITO

純革製の鋸ケースはこれまでもいくつか製作してきまして、一般的な剪定鋸が入るケースとしてはWoodyWaveを製作しましたが、その後、もっと高耐久で堅牢、汎用性があり、使い勝手の良い鋸の鞘を製作してみたくなり、完成したのが今回のMORIBITOです。

高耐久モデルMORIBITOの特徴

鋸の摩耗箇所の図

鋸ケースで最も傷みが顕著になるのは、鋸を挿入する口の部分ではないでしょうか。鋸を出し入れするたびに、鞘の内側側面は鋸刃によって削られます。
この画像は木製ケースの外側を革でカバーした構造の鋸ケースで、ケース右側の木製ケース側面が削れて、さらにその外側の革の部分も破れてしまっているのが確認できます。
このように鞘側面が軟弱な場合、削られて早々になくなってしまいます。
この鋸ケースMORIBITOは、口の部分の側壁(下の画像の縫い糸が二列になっている範囲)が20㎜程度取ってありますので、先ほどのような最終段階になるまでには、使い方にもよりますが相当な使用頻度、年月が必要になってくるでしょう。

純革製堅牢鋸ケース

この鋸のデザインの起点は、両側に20㎜幅の側壁、鋸刃の入り口を45㎜幅確保するところからはじまりました。途中がくびれて、さらに膨らみがあるフォルムは、デザイン的なバランスを取ったもので、実用的な意味合いはありません。

そして、鋸刃の入り口に関してはもう一点。半円形に切られた挿入口は、鋸をしまう動作を楽にするための仕掛けです。鋸をしまう際は、狭い口に鋸刃を差し込んで収納するわけですが、このように前面が切れていることで、切れていない場合に比べてしまいやすくなります。

鋸ケースの厚み

MORIBITOは鞘本体に厚みがあってしっかりしているのも特徴です。画像で見えるている断面(コバ)の部分は、4枚の革からなっていて15㎜程度の厚みがあります。

革は柔軟性があって、木やプラスチックのように、割れたりすることはありません。しかし木やプラスチックのように、革は堅くはないため、水に濡らすなどした場合に反りや歪みが出る可能性がありますが、厚みがある分、その可能性が低くなります。

純革鋸ケース高耐久モデル

裏側はこんな形で表と同じようなデザインになっています。

MORIBITO別バージョン

冒頭画像とは違う鋸を入れた画像です。

今回製作したものは鞘の長さが265㎜ありますので、250㎜くらいのストレート刃剪定鋸であれば、恐らくどんなものでも入れることができます。

鋸ケースMORIBITOができるまで

今回製作のMORIBITOの前身は剪定鋸ケースWoodyWaveです。

WoodyWaveはアルスのウッディという鋸を入れるために最適化した革ケース(鞘)でした。もちろんどんな鋸でも入れることはできますが、口の部分がウェーブしているので、柄の形状が合わないと多少違和感が出るかもしれません。

また、WoodyWaveはシンプルコンパクトがコンセプトで、その軽快さが良さではありますが、それとは反対にもう少し重厚感があり、どんな鋸も入れられる鋸ケースを作ってみたくなったことから今回のMORIBITO製作に至りました。

純革製高耐久鋸ケースMORIBITO

純革鋸ケース高耐久モデル

鋸ケースはこれまでいろんなタイプを製作してきました。
はじめは市販の木製鋸ケースのまわりを革でまくところからはじまり、中の材質をプラにしてみたり、サイズも色々です。そこから一歩進んで、すべて革でできた小型鋸ケースを製作し、続いて通常の剪定鋸ケースのWoodyWave、そして今回はその高耐久タイプの製作となりました。
困ったもので何か製作物が出来上がると、今度はこんなものがいいかも、ここは改善したいという箇所が次々に出てきますが、通常業務の忙しさもあり、なかなか新しい製作物につながらない日々が続いておりました。次に新作鋸ケースを作れるのはいつになるかわかりませんが、また新たに良質なものを送り出したいと思っています。