レザークラフト作品をつくる時もそうですし、その他何らかの図面をつくる時でもいいですが、図面をつくる時って、手描きでしょうか?もしも、製図(CAD)ソフトに興味があるなら、レザークラフトで身についちゃうかもよ?っていう話です。
わたし自身も革で何かを作るときは、必ずと言っていいほどCADソフトを利用していて、これが実に便利なので、レザークラフトをやっている人にも是非おすすめです!
レザークラフトで遊びながらCADソフトを使いこなす
一般的にCADソフトは、建築物や工業製品の図面作成に使われるプロのためのツールというイメージがあると思います。それ以外でも使うことはありますが、環境によっては、なかなか触れる機会もなかったりしますよね。
ましてや、趣味でレザークラフトをやっているだけの人は、そんなもの聞いたこともないかもしれません。
でも、これが使えると、レザークラフト作品の図面作成が楽になりますし、とても効率的になります。型紙製作の精度は間違いなく上がります。しかも、あなたがCADを使う可能性のある職業の人であれば、使えるようになって全く損はないのではないでしょうか?
レザークラフトができるようになれば、身の回りのものがいくらでもつくり出せるようになりますし、しかも、CADソフトも同時にできるようになれば、こんな楽しいことはありせんよね。
ちなみに、CADソフトには、大きく分けて平面の図面を作成する2DCADと立体図面を作成する3DCADの2種類があり、レザークラフトで使う図面を作るなら、2DCADを使うことになります。
CADソフトは高額
いくら便利だと言っても、CADソフトなんか触ったことがないと、なかなか手を出しづらいのではないでしょうか?しかも、聞くところによるとCADソフトは超高価。実際プロが使う2DCADは高いです。
建築や製品設計などの事業で使うCADと言えば、AutoCAD(オートキャド)というソフトが有名ですが、このソフトの利用料金は安いものでも¥71,500/年(2021現在)ですので、月換算でも¥6,000します。趣味で使う程度だと図面作成にこれだけの費用はちょっと厳しいですね。
でも、フリーソフトでも昔から有志で運営されているjw-CADというのがあります。
とにかく、CADソフトなんか使ったことがない人は、まずはこれを使いこなしてみるといいと思います。きっとレザークラフトだったら jw-CADでも十分すぎるほどだと思います。
でも、自分はいずれCADを使いこなして仕事にも利用したいんだ!という意気込みの人は、業界シェアNo.1のAutoCADを使うのがいいかもしれません。学生であれば無料で利用できます。
学生でなくキャリアアップのためにもAutoCADを勉強してみたい!「けど、金はない(きっぱり)!」という人は、AutoCADとほとんど同じで、値段が安いDraftSight®(ドラフトサイト)がいいんではないでしょうか。
DraftSight もサブスクで、¥21,900/年 (2021現在) ですので、月換算で¥1,800くらいです。AutoCADの1/3の価格で、AutoCADと同じような操作感を体験することができます。また、AutoCADと同じファイル形式(dwg)を使っているので、いずれAutoCADと言わず、ずっとDraftSight でも困らないかもしれません。
レザークラフト図面でCADソフトが便利な7つの理由
なぜ、レザークラフトでCADソフトが便利なのか?あまりピンと来ない人も多いと思いますので、利点について説明します。
レザークラフト図面でCADソフトを使う7つの利点
製図ソフトはパソコン上で図面がつくれるので、簡単にあげるとこのような良いところがあります。
- 正確な線が簡単に引ける
- 直線も曲線も太さも自由自在
- 簡単に等間隔に点が打てる
- 修正が簡単
- 図面の使いまわしができる
- 図面の保管場所が必要ない
- 手も図面も黒くならない
1.正確な線が簡単に引ける
昔はすべて手描きですから、図面を生業とする人間は、まず正確で綺麗な線が引けなければなりませんでした。そして、これがやってみると、一朝一夕にできるものではありませんでした。
ところが、CADの登場によって、この点において技術的な差が出ることがなくなりました。
レザークラフトの場合、ミリ単位まで正確に線が引けると作品の精度も上がりますので、正確な線が簡単に引けるのは超ありがたいです。
2.直線も曲線も太さも自由自在
特に、手描きの場合、曲線を思い通りに描くのは大変だと思いますが、製図ソフトを使えば自由に描けます。また、ペンを使い分けて太さを調節する必要もありません。一つの設定でプリントアウト時の線の太さの調節が可能です。
3.簡単に等間隔の点が打てる
レザークラフトにおいて、縫い目の美しさは作品の完成度に影響大です。
美しさのポイントの一つとして、縫い目はできるだけ等間隔にしたいところですが、CADを使うと設定した幅で等間隔に点を打つことが簡単にできます。
あらかじめ、図面上に穴をあける位置を指定できるのは結構便利だと思っています。特に曲線上にも等間隔で点が打てるのは便利です。
4.修正が簡単
手描きで何と言っても大変なのが、修正しなければならないときです。上の図面では、このケースのつくり方でも触れている通り、ウサギの耳のようになっている部分を何度も描き直していますが、短時間で修正を繰り返せるのもCADのおかげです。
5.図面の使いまわしができる
修正と似たことですが、新しいデザインをつくる時、過去につくった図面の一部を利用したい時があります。手描きでは、もう一度描き直すなどの手間が必要でしたが、デジタルデータであるCAD図面では、欲しい部分の線だけを簡単に新しい図面にコピペできるので時短に役立ちます。
6.図面の保管場所が必要ない
紙の図面では、保管場所にも困りますし、過去の図面を参照したい時も引っ張り出してくるのに時間がかかりますが、CAD図面はデジタル情報としてハードディスクに保管ができるので、場所が必要ない上に呼び出しが簡単です。(ただし、何らかの理由でデータが飛んだら悲劇ですので、保管には注意するほか、場合によってはバックアップしておく必要がありますが、いずれにしても場所は取りません。)
7.手も図面も黒くならない
手描きの図面と言えば、鉛筆やペンのインクで描き直しているうちに黒くなってしまうことがありましたが、もちろん、そんなトラブルはありません。
レザークラフトでCADを利用する条件
レザークラフトの型紙デザインでCADを利用する利点は、理解頂けたと思います。でも、レザークラフトにCADを導入するにはいくつか条件があります。
当然ですが、スマホアプリではないので、CADソフトを使うためにはパソコンが必要です。一昔前まではあったパソコンが、最近では必要性を感じなくなって所有しない家も増えているそうですね。でも、パソコンがないことにはCADは動かせません。
それから、CADで図面を作成できても、プリンターがないと出力できません。最低でもA4用紙、できればA3くらいまで印刷できると幅が広がります。もしかすると、この時点で自分はだめだわ~となってしまうかもしれません。会社や学校にはあっても、家にまでパソコンとプリンターがないとということは十分あり得るようです。
パソコンもプリンターも完備!という人もあと一点だけ注意があります。自分で製作しようとしているものが、出力できる用紙より極端に大きい場合は、CADソフトを使うメリットがあまりないかもしれません。例えば、大きなバッグをつくりたい場合、CADで図案作成まで出来ても、一度に全体をプリントアウトできないと、何枚も継ぎ接ぎになるか、外部の印刷サービスを使わなければならなくなり、あまりメリットがなくなってしまう可能性があります。
革ケースづくりでCADを覚えたわたし
パソコンがないとまず始まりませんし、CADソフトって、個人レベルでは、あまり使う機会ってないと思います。わたしは仕事柄機会があってパソコンにCADを入れていたのですが、実はあってもなかなか使いこなすことができませんでした。
やっぱり、仕事だと思うと億劫(おっくう)でして、、、。
でも、レザークラフト製作をはじめた時に、型紙図面を描くのに使えると思って、半分遊びながら覚えることができました。だから、レザークラフトでオリジナルのものをつくっている人やこれからはじめたい人、または、CADを使ってみたい人にも条件がそろっているならおすすめです。CADを使えるとあらゆる図面を描くのが楽になりますし、少しずつこのようなパソコンソフトに触れていくと、他のソフトを導入するときも、ハードルがぐっと下がって、はじめやすくなります。
実際、自分も若い時から長いことローテク人力業界にどっぷり浸かってきた影響で、パソコンなんてインターネットを使うくらいしかできませんでした。でもこれをきっかけに、3DCADソフト、デザイン系ソフト、HTMLサイト作成ソフト、そして今こうして使っているWordPressといった感じで、パソコンに対するハードルが下がった経験があります。だからすべての人が同じようになるとは思いませんが、チャレンジ精神があって、パソコンに苦手意識がある人にも、きっかけとしておすすめですよ。色々世界が広がると思うので、是非やってみてほしいと思います。