鉈ケース | Kolashoのエピソード

ハンドメイド鉈革ケース

樹木剪定をすると出るのが大量の枝ごみですね。

一般の方が自宅の庭木を剪定した場合、枝ごみはたいていかなり短く切り揃えて紐でまとめ、ゴミの日に出すのだと思います。
そうした後片づけの場合は、刈込鋏のような長い柄の先に剪定鋏の刃がついたような道具(太枝切鋏というらしい)が便利ですが、ある程度大雑把に刻んでトラックの荷台に載せるような場合は、鉈(なた)の方が手っ取り早いことがあります。わたしの場合、枝を細かくして積むのはたいてい鉈でやっています。

 

手打ち鉈

こんな感じのやつなんですがね。これはもう10年以上は使っているものです。
実は、この鉈にはちょっとした思い出がありまして、、、。

 

ある時、枝を刻んでいて、間違えて指が一本落ちかけたんですよね。大事な指が、、、。

 

幸いなことにわたしは今まで生きてきて大きなケガというのはほとんどしたことがありません。でも、普段革を縫ったりしているわたしが、その時は医者に指を8目も縫われてしまいました。間違えました8針です。

で、知ってると思いますが、一回指が落ちると二度と生えてこないのであなたも気を付けてくださいね。

 

まあ、その話はどうでもいい余談ですが、この鉈に元々ついていたケースというのがあります。

 

手作り鉈

こういうやつでして、、、草むらに紛れてもすぐに見つけられることにフォーカスした真っ赤なボディーがなんともアレだと常々感じていました。うん、確かにここまで無くすことはなかった。
飛び出し防止ストッパーのベルトは、取付位置が悪いせいで、使い始めて間もなくご覧のように切れてしまいました。試しに付けてみたんか?と思うほど早々に散りましたよ。
まだあります。画像では鉈の柄で見えませんが、このケースには、一応貧弱なベルトループが付いていて、ベルトに装着可能でした。ただ、一度も付けたことはないです。だってなんだか、だってだってなんだもん。

 

鉈ケースをハンドメイドしてみた

大量の枝をまとめて処理するときは、鉈は腰についていた方が使いやすいとは思いつつ、今までそういう使い方をしてこなかったのもこのケースが好きではなかったからです。
それでこの度、重い腰を上げ鉈ケースを自作してみることにしました。

ただ、鉈というのは鋸(のこぎり)と同じように刃が、完全にむき出しの状態で出し入れしますよね。なので、はじめ木製ケースを革で覆うような作りにしようと考えました。現状の赤い部分を貼りかえるようなイメージです。

その際、この鉈の木製ケース部分を転用できればよかったのですが、よく見るとこれは割れてしまっていることが判明しました。それで、木製ケースを自作して、その上に革をかぶせることも考えたのですが、それも芸がないので、思い切って総革製の鉈ケースにすることにしました。カスタムナイフなんかではよくありますよね。

 

自作鉈革ケース

設計の際に一番気をつけたことは、すぐにヘタってしまわないようにしっかりとしたつくりにすることです。鋏や鋸と違い、鉈は結構自重がありますので、ペラペラなものにしてしまうと重みですぐに革がくたびれて、へなへなにしまうのではないかと思います。ですので、この革ケースは基本3㎜の革を2枚貼り合わせた上に、刃が当たる部分は3㎜の革を2枚を重ねて作ってあります。それで縫い合わせたコバの部分は、合計で6枚分の厚みになりました。

この鉈ケースに付けた「Kolasho(こらしょ)」という名前も、実はここのところに由来しています。

 

自作鉈革ケース

鉈の入り口はこんな感じで、かなりの重厚感が出ました。これならそこそこ耐久性があるのではないかと思います。

 

ハンドメイド鉈革ケース

裏側はこんな感じ。
正面から見てケース右下の底の部分には、ごみ抜きの穴も開いています。
シンプルで派手さは一切ありませんが、堅実、正統派の革ケースに仕上がりましたw

 

ハンドメイド鉈革ケース

ところで、仕上がったものを見ていて思ったのですが、これは一見鉈ケースには見えない風貌です。それどころか、これを身に着けて人が行き交う街中をうろついても、何の違和感もないことでしょう。
ただ、ここに鉈をさしてうろつくのはやめておこうと思います。なぜって、意図せず通行人を怖がらせるだけでなく、確実にお巡りさんに囲まれてしまいそうですから。