革製鋸グリップのエピソード

革製鋸グリップカバー

鋸グリップとは?

鋸グリップカバー2

鋸グリップとわたしが言っているのは、鋸の柄に革をかぶせたもののことです。
正確な言い方をすれば、鋸柄カバーとなるんでしょうか。カタカナで言うとハンドソーグリップカバーみたいになるんでしょうかね。
まあ、日本人には鋸グリップと略しても何となくわかってもらえるのではないでしょうか。

鋸の柄というのはむき出しの木製かプラ製というのが普通だと思います。あまりこのように革をかぶせた鋸を目にすることはないのではないでしょうか?

革製鋸グリップいろいろ

上の縦に2つの鋸が並んだ画像の右の鋸グリップは、柄を革でかぶせ始めた一番初期のころの製作物です。現在製作しているものとは多少違いますが、基本的な構造、つくり方はほとんど変わっていません。

革製鋸グリップカバー

こちらは先ほどのグリップの悪いところを改良したもので、今は基本的にはこの形を踏襲しています。何が変わったかは後程軽く触れます。
現状のこの姿はなかなか気に入っていますが、もっと良い形にできるのではないかとも考えています。

革製鋸グリップカバー

縫い方を変えてみたり、糸の色やコバの色を変えてみたり、小手先で色々やってはみますが、ベースの型紙は同じなので、大きな変化はないです。
いつか根本から型紙を見直したいと思います。

革製鋸グリップが誕生した経緯

なぜ、鋸グリップをつくろうと思ったのか。そもそもの話になりますが、クリエイティブ脳が爆発して作ろうと考えたのでは全然なくて、それは本当に必要に駆られて仕方なく作り始めたという方が正確です。

小型鋸

先ほど上で掲載した小型鋸を使い始め、それが欠かせなくなってきた時、鋸の柄が本当にしょうもなく安っぽかったので、それを何とかしたかったんです。それがこの画像の鋸なんですが。
これはもう病気じみているという自覚はありますよ。ご安心ください。でも普段、自分でいろいろ自作して気に入ったものを身に着けていると、このような不協和音がどうしても許せなくなってきてしまうのですよ。
これはいけません!ということでこの柄を隠すためのカバーをつくるところからがスタートでした。

革製鋸グリップカバー

この画像のように初期の頃は、革紐を最後どこへ出したらいいか考えあぐねて、柄の一番下から出していたんですが、その内気づいて、今は反対に上の背側から出してとめています。

また、初期の頃は二枚の部材を柄の中間付近で縫ってつなぐ構造になっていましたが、今は背側でつながって一枚革となっています。

革製鋸グリップカバー

今の説明はわかりづらいと思いますので、現在の姿をご覧ください。革グリップの背側はこんな形になっています。
柄の中間付近で縫い目がついていますが、背側はこのように革がつながっている構造です。
そして、グリップを締めている革紐は背側から出してとめています。

このように見た目や強度面でも多少の改良はされてきている現状です。

革製鋸グリップはお洒落で使いやすい

革製鋸グリップカバー

剪定道具の中では、剪定鋏の持ち手を巻くカバーは見たことがある人もいるのではないでしょうか?
でも、鋸の柄カバーはわたしが作るまで自分自身は見たことがありませんでした。人類の長い歴史の中で、これくらいのものは過去に誰かがどこかで幾度も作っては消えて行ったことと思いますが、現状ではあまり製作している人間はいないような様子です。
これは緩めて取外しができるので、目立てに出す際や替え刃交換の時にも困りません。
この鋸柄カバーはお洒落な見た目もさることながら、鋸使用時に手が滑りにくく、力が入れやすいという効果もあります。目立て、替え刃交換の際に一手間必要になってきますが、それを上回る趣と使いやすさがあるので、このシリーズはこれからも使い続けて行くことになりそうです。