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革のひどい汚れを落とす方法の紹介
革製の工具ケースや鋏ケースの汚れは、靴やカバンの汚れとは比べ物にならないくらいヒドくしつこい汚れです。 今回はそんな仕事で使うような革ケースの頑固な汚れを落とす方法を紹介します。 とは言っても、決して革にダメージがあるような荒っぽいことはしません。革張りのソファーやシートでも使える方法です。
工具ケースや鋏ケースの汚れの落とし方は知られていない
「革のバッグの汚れの落とし方」とか「革靴のクリーニング方法」といったノウハウは、世の中に結構あふれているんですよ。 みんなが使う革製品と言えば、バッグや財布、靴みたいなものが多いので、自然とそういうものを扱ったコンテンツが多くなるのは仕方ないのですが、職人が使う革ケースの汚れの落とし方って、誰も教えてくれなくてわからないんですよね。 仕事で使う革ケースの場合、バッグや財布につく汚れなんてもんではないです。汚れのひどさで言えば、靴なんかよりもすごいです。 特に、わたし(植木屋)のように、外で土とホコリにまみれて仕事をしていると、革の汚れとしてはMAXです。 そもそも仕事で使う工具入れのような革ケースは、安物が多いですし、手入れなどせず汚れたら、ほぼ捨てられてるんでしょうけど、、、。 でも、わたしは革ケースを自作していることもあり、さすがに汚れたらすぐポイする気にはなりません。 そこで、以前、保革成分入りの汚れ落としクリームを買って、試したことあるんですが、確かに汚れはついているはずなのに、恐ろしく落ちないんですよね。 そこで色々試してみた結果、今回紹介する方法を実践しています。 それまでとは違い、目に見えて汚れが落ちるのはもちろん、落とした後の革の状態も良好なので幅広い用途におすすめします。
革のクリーニングとアフターケア
革のクリーニング剤というのは、たいていの場合、汚れ落としと保革成分が同時配合されています。 だから、クリーニングだけで終えてもいい場合もありますが、できればクリーニング後にアフターケアをするとよりコンディションのいい状態でキープすることができます。 今回紹介するクリーニング剤もそのように使うことをメーカーが推奨しています。 それで今回実演も交えて紹介するのが「レクソル(LEXOL)」というものです。 レクソル(LEXOL)には、クリーナーとコンディショナーがあり、セットで使うと効果的です。
レクソルのコンディショナーは、単体では扱いが少なくなっていて、購入するなら以下のセット品がお得です。
レクソル レザー クリーナー.コンディショナー.スポンジセット 236ml
今回きれいにする革ケース
今回は、この鋸ケースをきれいにします。 これはミニサイズの鋸で、試しに使ってみたら、すんごく使い勝手が良く、今では一般的な長い鋸よりも多用している状態で、したがって、すんごく汚れてしまっています。しかも、つくって以来、一度もきれいにしていないのでカッコウの実験台というわけです。
1.用意するもの
- レクソルレザークリーナー
- レクソルレザーコンディショナー
- ブラシ(靴用など)
- 歯ブラシ(縫い目の掃除用)
- スポンジ
- ウエス(ボロきれなど)
靴用のブラシは、↓のようなもので構いません。
2.ブラシ、ウエスで汚れを落とす
まずは、クリーナーを使う前に表面の汚れをブラシでこすって落とします。 革用のブラシには、馬毛や豚毛のものがありますが、持っていない場合は、革を傷つけない程度に柔らかいブラシで代用してください。
続いて、ウエスでも軽くこすって汚れを落とします。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、これだけでもだいぶ汚れが落ちています。
3.クリーナーで洗う
水に浸して絞ったスポンジ(今回は食器用)にクリーナーを付けます。 一度につけるのは10円玉大くらいでいいと思います。
それでこのように泡立てます。食器を洗う時のような要領でOKです。
こんな感じで食器用スポンジであれば柔らかい方を使って、ごしごし洗うような感じ。 汚れのひどいところは重点的に洗ってあげましょう。
すると、こんな感じで汚れが落ちてくるので、あまりに汚れていたら、スポンジを水ですすいで、再度クリーナーをつけて繰り返します。
縫い目や細かいところは、歯ブラシなどの小さいブラシを使うときれいにできます。 縫い糸が汚れて劣化すると切れやすくなりますので、同時にきれいにしてあげましょう。
4.乾拭きする
洗えたら、表面を乾拭きして、余分な水分とクリーナーを軽く落とします。 習慣として、クリーナーを使って泡だらけにした後は、水ですすぎたい気持ちになりますが、その必要はありません。 水ですすいでしまうとかえって革に良くないので、その衝動は抑えてください。
5.コンディショナーでアフターケア
革が半乾きの状態で、コンディショナーを塗っていきます。 このようにウエスにつけてから軽くなじませて使います。
こんな感じで塗り広げてください。 薄く何度も塗り広げる感じです。 注意点としては、ベタベタになるほどたくさんつけ過ぎないことです。 これはケアクリームやオイルで加脂する時も同じで、つけ過ぎてベタベタにしてしまうと、革の呼吸を阻害して良くないのでほどほどにしましょう。
クリーニング後の革ケース
クリーニング前は、汚れやキズがたくさんついていて、何が何だかわからなかったのですが、クリーニング後はこんな感じです↑。 ちなみに、クリーニング前はこんな感じです↓。
クリーニング前
クリーニング前は、相当ホコリをかぶって白っぽくなっていましたが、クリーニング後は元の革の色がわかるようになりました。 それから、クリーニング後の状態を見ると、白くなっている箇所がありますが、これはすり傷です。やる前はキズなのか汚れなのかわからなかったのですが、どうやらすり傷が付いてしまっていたようです。 クリーニング後は、革がきれいになっただけでなく、しっとりとしたいい感じになっているのも確認いただけると思います。
まとめ
靴やバッグのような汚れより頑固な汚れは、汚れ落としクリームではほとんど効果がありません。 このように洗ってしまうような方法が有効です。 今回使用した革クリーナーとコンディショナーのセットは、初心者でも革を傷めず安心して使用できますので、ひどく汚れてしまった革製品がある場合は試してみてください。